アンチエイジング外来開設に際して【第2部】   動脈硬化編

第2部 不安定な状態から破裂する


正常の血管は 血液を流す まさに「クダ」です

血液と接する「クダ」の内面は「血管内皮細胞」が
タイルのように隙間無くおおっています

この薄っぺらい内皮細胞
タダモノではありません
実に優れものなのです

バリアとして
血液成分が血管から外に漏れ出すのを防ぐだけではなく・・・
血液中の細胞が付着するのや血液が固まるのを阻止したり
血管を拡張させる物質を分泌したり
大変な多機能ぶりを発揮します

ところが
喫煙 高血圧 高コレステロール血症 高血糖 などにより
内皮細胞が 障害されたり 刺激されると
内皮細胞の 「表面」に変化が生じます

その変化により
血流中の「単球」と言う細胞が内皮細胞にくっつきやすくなり
バリアだった内皮細胞の間隙から
内皮細胞の下に浸入できるようになります

みごと 内皮細胞下に侵入した単球は
「マクロファージ」と言う細胞へと変化します

ここから
マクロファージはその名前に恥じない活躍??を開始します

マクロファージは
別名「貧食(どんしょく)細胞」と呼ばれ
何でも食べてしまうお掃除機能を持っています

そもそも
バリアである内皮細胞が壊されてしまうような「血液」は
健常な状態ではありません

悪玉コレステロールと呼ばれるLDL
高すぎる血糖
有毒なアミノ酸 など・・・
悪いものが ウジャウジャ 流れているわけです

特に LDLは 内皮細胞下に蓄積していき
真の悪玉コレステロールの「酸化LDL」や「糖化LDL」に
変化します

待っていたマクロファージは
一生懸命に働き 毒物である酸化LDLなどを大量に貪食します

貪食後
パンパンに膨れ上がったマクロファージは
外見上 黄色い油滴で充満した
「泡沫(ほうまつ)細胞」と呼ばれる状態に
変貌してしまうアリサマです

この「内皮細胞」や「マクロファージ」も含めた一連の変化が
動脈で起きて壁が厚ぼったくなってしまった状態が
『動脈硬化』です

特に
「泡沫細胞」で溢れかえり・・・
(実は他にも重要な細胞がいるのですがマタの機会に・・・)
カベが黄色く盛り上がった病変部位を
「プラーク」と呼びます

大動脈のような太く大きな動脈では
プラークだけでクダの中が狭くなることはありません

しかし
心臓の筋肉の隅々に栄養を送る冠動脈のような
中型サイズの動脈では
クダの中を狭くして狭心症や心筋梗塞を起してしまいます

血管の閉塞は
プラークが徐々に大きくなることによって起きるのではない事を
最近の研究は明らかにしています

狭心症や心筋梗塞など
虚血性心疾患の発症には
「プラークの破裂」とそれに続く「血栓の形成」が
重要だったのです

要するに・・・

内皮細胞と言うバリアを
障害された動脈硬化部位
特にプラークの部分は傷つきやすく

プラークにも被膜が安定なものと不安定なものがあり
不安定なプラークは破裂しやすいのです

プラークが破裂してキズついた部位には
当然のごとく
血液中を流れている血小板が真っ先にくっつき
フタをしようとします

続いて
線維素と呼ばれる『フィブリン』がくっつき
強固な血栓を形成するのです

プラークができて血管のカベが元々厚くなっていたうえに
血栓と言う血のカタマリができたらクダの中は
一気に狭くなります

これにより 最悪の場合 血流は途絶し
梗塞が起きてしまうのです